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2010年12月の記事

2010年12月30日

028:2011 

2010年もあと一日。
2010年を振り返ってみると、DESIGN TIDEへの出展を契機として海外メディアへの掲載の機会を幾度も頂き、世界に向けて情報を発信する事ができました。これまで憧れの眼差しで購読していたメディアにも掲載していただく事ができ、そのお陰で海外メーカーによるRubber Stoolの製品化の話が進行中であったり、国内のギャラリーでSchwarzwald Stoolを取り扱っていただける事も決まりましたから、今年の目標としていた発言力の体得が僅かではありますが実現できたと感じています。

来年2011年の目標は次の3つの仕事をマルチにこなしたいと考えています。

1:多数に向けた仕事。
これはメーカーとの協働によって作品が製品化され、それが広く販売される事で達成されます。
ビジネス戦略の一部としてのデザインでありながら、これからのデザインに必要なストーリー性のあるモノ創りに携わりたいと考えています。

2:少数に向けた仕事。
数量を限定したモノ創りを行い、ギャラリーなど我々の作品の価値を評価していただける方にご協力いただきながら作品を適切なところへお届けする事で達成でしたいと考えています。

3:一人のための仕事。
その時に、その場所に、その人に最も相応しい唯一の形を提供する事で達成されます。
クライアントが陶酔できるような作品を生み出したいと考えています。
この類のものはこれまでも住宅の設計で体験してきましたが、今後はさらなる発言力の体得により、クライアントが想い描くものを形にするだけではなく、クライアントが想いもよらないもの、想像を超えて喜ばれるものを積極的に提案していきたいと考えています。クライアントが望むものをそのまま形にすることは大切な事ですが、クライアントが望むままを形にすることしかできないのではデザイナーとしての存在意義が危ぶまれます。例えれば下の写真の住宅のように、想像を超越するような仕事をしてみたいと考えています。

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これまで様々な住宅の設計に携わらせていただきましたし、仕事柄あらゆる住宅を見る機会を頂きました。
迷子になるほど大きなものや、小さいけれど驚くほど緻密なもの、ビルが幾つも買えるほど高額なものから車の価格ほどで建てられたものまで、あらゆるものを見てきましたから今では住宅を見て驚く事はほとんどありません。
しかし、この写真に映っている住宅には驚きました。アイスランドの島に建つこの住宅の主はビョークだそうですが、冗談にしか見えません。

無事に2010年を締めくくれ、新年を迎えることができることは、ひとえに皆様方の日頃からのご愛顧とご指導の賜物と感謝しております。
来る年も一層の努力を致す所存ですので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

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2010年12月28日

027:Panhard 

http://www.panhard.fr/anglais/index.htm

アノニマスなデザイン、無欲なデザインに魅力を感じます。

できればなくなってほしいと思う軍用車ですが、時にそれはアノニマスなデザインとして目を惹きます。

アメリカの軍用車HUMMERを街で頻繁に目にします。
まさに軍用車という風貌だったHUMMER H1が民間で人気を獲得し、その後民間向けにデザインしなおされた新型のHUMMER H3が本来の魅力を失い、逆に平和の象徴のように見えたりもします。

軍用車には装飾の必要が無く、ユーザーの意識調査も、ユーザーへの媚も必要とせず、無骨ながらも実直でアノニマスなデザインが魅力なのだと思いますがHUMMERが民間向けにデザインしなおされたことでそのHUMMERらしさを失った今、その手の車を好む人たちは次のHUMMERを探しているはずです。

そんな人にはパナール。
世界最古の自動車メーカーと言われているフランスの軍用車専用メーカーです。道なき道も走ります。地雷があっても、ピストルで撃たれても、多分大丈夫。このデザインはまさに実直。HUMMERも率先して道を空けてくれることでしょう。

pana

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2010年12月26日

026:Keeplus 

 
友人の紹介でKeeplusに触れる機会を得ました。
Keeplusとは石からできた紙(ストーンペーパー)で、石灰石を主原料とし、木材チップやケナフなどを使用しないエコ素材です。製造段階で水を使わず、強酸や強塩酸や漂白剤といった科学薬品も使用しないため、排水による水質汚染、排気による大気汚染の防止に役立ちます。従来の紙と同様に様々な用途に使用できるだけでなく、強い引っ張り強度や耐水性も有し、近い将来には従来の紙よりも安価に製造する事が可能になるそうです。様々な可能性を持った新しい素材Keeplus。この素材から新しい発想が生まれるかもしれません。
 
Keeplusにも通ずるコンセプトを持ったRubber Stoolがカナダのデザイン系WEBマガジンYankodesignに掲載されています。
 
 
rubber3
Rubber Stool 古くから様々な分野で使われてきたゴムは、材料学の進歩により、現在では人工的に生成される合成ゴムの活躍が目立っています。しかし、未だ天然ゴムはその物性やコスト面などのトータルバランスでそれに勝っているため天然ゴムの需要は拡大を続け、大規模な土地利用を伴なうゴム植林を促し、主に東南アジアでの森林伐採による環境破壊が深刻化しています。この状況を改善する方法の一つにリサイクルゴムの利用促進が挙げられていますが、思うように進んでいないのが現状です。我々はその現状をふまえ、リサイクルゴムを使ったスツールをデザインしました。一枚のゴム板を折り曲げ、脚の先端をボルトで留めるだけで完成する単純な構成のスツールです。その平面形状からは想像できない優美な立体形状を持ち、ゴム特有の弾力性により心地よいクッション性を生み出します。また、丸めるなどして少ないスペースでの輸送や保管も可能です。 Rubber Stoolがリサイクルゴムの利用方法の一つとして、また、ゴム生成による森林伐採の現状を多くの方に知って頂くためのきっかけとなることを願っています。 material : リサイクルゴム  size : W 320×D 320×H 400
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2010年12月25日

025:EDOMA 

http://mocoloco.com/archives/019806.php

クリスマスを向かえ、2010年も残すところ僅かとなりました。

銀座では今夜、一夜にしてクリスマスのイルミネーションが門松などのお正月飾りに入れ替わります。

今年のイルミネーションは日亜化学の青色発光ダイオードの権利をめぐる騒ぎと関連した青色LEDブームがひと段落したのか、暖色系のLED人気が復活したと同時に、LEDの価格低下や安いランニングコストなどからLEDのイルミネーションが大幅に増えたように感じました。LEDは完全に身近なものとなりました。日本ではじめて電球を製造した東芝が電球の販売を終了したことからも分かるように一般家庭にもLEDは普及し始め、これまで温かみのある光を提供してくれていた白熱灯が我々の前から姿を消しつつあります。

無いものねだりのような気もしますが、もう少し白熱灯の優しい光に浸っていたいと思ったりもします。

そんな姿を消しつつある白熱灯を使って生まれたランプがEDOMAです。

触れられないほどに熱いはずの電球が氷に覆われているという違和感は完全に真空状態とした低温電球を氷のような形状の樹脂でコーティングする事で実現しています。高熱が出ないために机上に転がして使う事もでき、一般的な電球では考えられなかった使い方も可能です。

EDOMAはmocolocoで掲載されていますのでご覧ください。

edoma1


Photo by Ikunori Yamamoto


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Edoma
近年、シベリアを覆っている永久凍土が急速な勢いで溶けはじめています。その中には氷河期以前に存在していた細菌によって数百万年にわたり生産された強力な温室効果を持つメタンガスが埋蔵されています。さらにその永久凍土の中にはエドマと呼ばれる厚さ40mにも及ぶ巨大な氷の塊があり、それには大気の1千倍にも達する高濃度メタンが含まれていることが分かっています。表層の永久凍土が溶け、エドマの溶解が始まると温暖化の問題は一層深刻になります。我々は溶けて消えつつあるエドマを、同じく姿を消しつつある白熱灯を用いて氷の奥でメタンを燃焼しながら淡く光る明かりで表現することにしました。シベリアほど離れた場所で起こっていることを普段の生活の中で意識する事は難しいかもしれませんが、このランプがそのきっかけを与えてくれるはずです。この哀愁漂う光の下で今後の地球環境について考えてみると、いつもとは違う答えに出会えるかもしれません。
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2010年12月17日

024:吉村靖孝「CCハウス」展  

http://www.orie.co.jp/

 

建設業界も他の業界と同様に凍えるような時代を迎えています。

経済の停滞に加え、少子高齢化やストック過多、さらには環境負荷制限の為にスクラップアンドビルドも冷ややかな目で見られてしまうような状況でしばらくは冷えきった時代が続くと予想されます。今をなんとか凌いでいてもこれまでのやり方ではいずれ行き詰まることは明白です。

しかし我々のように小規模で活動している微細な存在がコンクリートに変わる新たな建材を開発したり、ボタン一つで建築が造れてしまうような巨大な3Dプリンターを開発する訳にもいきませんからオリジナリティのある建築の思想の発明であったり、新しい建築の提供の仕方であったりとソフト面での開発に注力するしかありません。そんな中で興味深い試みを外苑前のオリエアートギャラリーで見る事ができました。

 

画像等の著作権保護と利用者の利便性を両立させることを目的としたクリエイティブコモンズという仕組みがあります。

簡単に言えば、著作物を自由に使っても良い部分と、有料で使っても良い部分とに分けて公開する仕組みで、行き過ぎた著作権保護思想が生み出した新たな仕組みです。その仕組みを建築に応用し、いわゆる建築家の作品に手軽に住まう事を可能にする試みをまとめたのが吉村靖孝「CCハウス」展です。

ただ、画像などを保護するクリエイティブコモンでも直面しているだろうと思いますが、公開してしまえば個人レベルで使うことを監理しきれないでしょうから、いかにしてその権利を守るのか、また、ミースが追い求めた理想が日本の住宅には当てはまらない事は明らかであり、その敷地に、そのクライアントに、その予算に、その時代によって他にはない唯一の解を導くのが建築家の責務ですから図面だけを販売する事にどれだけの意味性を持たせられるかが課題だと感じました。

また、一歩踏み誤れば建築家の存在意義を希薄にする可能性や建築家の仕事の価値を下げる可能性も内包しているようにも見えました。

しかし、建築家が新しいデザインを求めて試行錯誤しても、既にあらゆるデザインが過去に生み出されていたり、作家性が前面に押し出された住み手不在のデザインに偏ったりと、閉塞感とも言える苦しさが見て取れますから、このような新しい試みが重要であることは間違いありません。

展示は明日までですが行かれる人は是非。作り手も、買い手も勉強になる展示だと思います。

見積りが公開されていたり、ディテールや構造、設備まで、住宅を作るのに必要な情報のほとんどを目にする事のできる数少ない機会だと思います。

 

オリエアートギャラリー 住所:東京都港区北青山2-9-16 AAビル1F 電話:03-5772-5801 URL:http://www.orie.co.jp/

会期:~12月17日

 

他にも現在開催中の気になる展示が幾つかあります。

●コニカミノルタプラザ環境企画展 Trans-i+(トランスイット) 展

会場:コニカミノルタプラザ

URL:http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2010december/rebirth_project/index.html

会期:~12月20日

 

●prototype展 04 "new action"

会場:東京ミッドタウン・デザインハブ

URL:http://www.superprototype.net/

会期:~12月26日

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2010年12月16日

023:Larsen C 

http://www.h220430.jp

仕事でお世話になった伊豆の造船屋さんから、これまでボートを陸揚げしていた場所が海水面上昇により水に浸るようになりボートの保管場所を別に移動しなければならなくなったという話を聞きました。明らかに異常な気温が続いた今年も南極では想像を遥かに上回る量の氷が溶け出していたのかもしれません。東京で暮らしていると普段は暑いという事以外に温暖化による影響を感じる事はあまりありませんが目に入らないところで確実に事態は悪化しているようです。

普段の生活の中で水が滴る場所(洗面所や花を生ける場所)に溶け出した氷に見立てたアクリルの塊を挿入し、目に入りにくい現実を再現しようと考えたのがラーセンCです。

この作品はアクリルを型に流し込んで成形したものではなく、削り出しで造形しています。

ある部分は堅く鋭い氷の表情を、またある部分では解けた氷の柔らかいカーブを表現するためにウサミ氏が作成した3次元データを入力した掘削機により削り出されています。

larsen

Larsen

南極半島には世界最大級の棚氷「ラーセン」があります。それは3つのエリアに分けられ、北から順にラーセンABCと呼ばれています。

2000年以上前から存在していたとみられるラーセンA1995年に崩壊し、2002年には12000年もの歴史を持つ巨大な棚氷ラーセンBが崩壊しています。

近年の崩壊により面積にして 東京都の6倍以上という途方もない量の氷が失われているのです。残るはラーセンC のみ。残念ながらそれが崩壊するのも時間の問題です。

我々は崩壊した棚氷が氷山となって海を漂う姿を想像させるアクリルの塊を製作 し、 それを「Larsen C」と名付けました。頂部にある二箇所の穴を利用し、歯ブラシ立てとして、または、水を張った器に入れて一輪挿しとしても使うことができます。

水がかかった状態の「Larsen C」は、よりリアルに溶け出した氷山に見え、それを目にした人は遠く離れた南極の危機的な状況を容易に思い起こすことができます。

Larsen C」を日常に挿入する事でその使用者が地球温暖化について考え、温暖化防止に貢献する行動をとるきっかけを生む事ができれば幸いです。

W90 D:90 H:80

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2010年12月15日

022:Yankodesign 

http://www.yankodesign.com/2010/12/09/tokonoma/

トコノマとLarsen Cがカナダのデザイン情報サイトYankodesignに掲載されています。

larsenC

Photo by Ikunori Yamamoto

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