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2016年7月の記事

2016年07月01日

269:銀座から歩いて10分にある奇跡 

シンガポールと香港から来てくれているインターンに、週末見に行くべき場所を聞かれました。考えてみると、東京のあらゆる場所が経済優先で形成され、標準化しているため、世界中の様々な地域を見て来た彼らを感動させられるような、極東の孤島独自の文化が蓄積された場所がなかなか思い浮かばないことに改めて気付かされました。悩みに悩んで、幾つかの美術館とデザイン的に見所の多い商業施設と、日本を代表する建築家による建物を紹介しましたが、自分としては消化不良な感が否めません。

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この写真は昨日銀座から歩いて10分の築地で撮った民家の写真です。
15年ほど前はこのような景色が銀座から徒歩10分のエリアにも随所に見られましたが、今、このような木造家屋が連なって見えるのは、残念ながらもうこの通り1本だけになってしまいました。築地再開発の影響でこれらの建物はみるみるうちに無くなっています。その後に新しく建てられる建物に、それまでの文化の蓄積を継承する意志は見られず、経済優先の悲しい街区ができつつあります。
もともと外国人居留地があったこのエリアは他のエリアよりも戦争被害が少なかったようで、奇跡的に文化の蓄積とも言える古い建物が残っていました。
今、銀座から歩いて10分にこの景色が残っていることの意味や価値を見直し、せめてこの1本だけでも残ってほしいと切に願います。
このような文化の蓄積こそが、世界中であらゆるものを見て来た彼らをも感動させられるものだと思います。
ついでに言えば、築地とは反対方向に銀座から10分歩いた場所にある江戸城跡地に江戸城が可能な限り当時の技法を取り入れ、忠実に再建されないものかとも思っています。
法的にも、技術的にも、コスト的にも、材料的にも解決しなければならない問題は沢山ありますが、文化の蓄積を一旦全て焼滅させてしまった東京には、新国立競技場よりも江戸城があった方が良いなと思います。
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