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『VEHICLE』の記事

2011年05月06日

056:Morgan 3 Wheeler 

http://www.morgan3wheeler.co.uk/

フクシマからは科学技術の進歩が我々を常に良い方向に導いてくれるとは限らないという事を改めて学びました。

効率が良いという原子力発電が、お金では計れない領域も含めて考えた時にも本当に効率がいいと言えるのか。

太陽がわずか1時間で世界の年間消費エネルギーをまかなえるだけのエネルギーを地球に届けてくれているにもかかわらず、原子力に代わる他の発電方法は本当に存在しないのか。一度少しだけ立ち止まって考えるべき時が来たように思います。

デザインという観点でも進化は常に良い方向には進んでいるとは限りません。西洋建築では16世紀頃のバロック建築時代に頂点を極め、日本建築では江戸時代初期に桂離宮をはじめとする数多くの傑作が生まれ、芸術的・文化的レベルの高さ、建築技術や材料の質、さらには環境に与える影響という点においても現代の建築では到達できないレベルに達しています。売れるものを作る事に専念している現代では、驚異的に発達した科学技術をもってしても、良いものを作ることに専念した時代のそれに敵わないのかもしれません。

車のデザインも然り。待望のニューモデルを見てがっかりする事も少なくありません。

世界中のメーカーが流行を追う事によってオリジナリティを喪失しているように感じます。

デザイナーの多くが"斬新さ"や"奇抜さ"を生き残るために必要な進化ととらえているのかもしれませんが、その進化は良い方向に進むとは思えません。

今回のジュネーブショーで公開された新型のMorgan 3 Wheelerはある意味では勇気ある退化だと言えます。一切流行を追わず、1910年に発表されたMorgan 3 Wheelerを復刻しています。当然機械的な部分では最新の技術が導入されていますから、総合的に見て意味のある進化とも言えます。

未だに木製シャーシの車を作っている希少な車メーカーMorganは、現代では稀な良いものを作る事に専念しているメーカーです。いにしえのデザインに敬意を払いながらも、技術の面では新しいものを取り入れたこの復刻モデルは350万円〜。市場原理主義に振り回される事無く、斬新さや奇抜さでもなく、実直である事がデザインにも必要なのだという事をMorgan 3 Wheelerから学びました。

Morgan-3

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2011年02月22日

043:Confederate Motor Company 

http://www.confederate.com/

写真はアメリカのバイクメーカーConfederate Motor Company社のおよそ1100万円のバイク「Fighter」です。

メーカーによると排気量1966ccのエンジンが195kgの車体を時速300キロで走らせてしまうのだとか。

そんな価格やスピードに負けないくらいこのデザインには存在感があります。有機的なラインが主流の現代デザインの中で際立って異質ですが、やはりこれが機械的なもののデザインとして正当なのではないかとさえ思わされます。

このデザインからは新しさはそれほど感じられません。しかし、恐らく100年後に見ても魅力的に見えるのではないでしょうか。建築にしろ、機械にしろ物理的に長寿命であるもののデザインはやはり長寿命であるべきです。その点で「Fighter」のデザインには学ぶべきところが多いように思います。

fighter

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2011年02月05日

038:酒井重工 

http://www.sakainet.co.jp/

狙って得た美しさではなく自然に備わった美しさをもつデザインを柳 宋悦は「アノニマスデザイン」と名付けました。それはいつの時代にも見る者に理由なく美しいと感じさせる実直で野性的で強いデザインだと言えます。

デザインという言葉がなかった頃につくられたものや、古くから今なおつくられている民芸品等に対してよく使われるアノニマスという言葉ですが、時折道路工事で見る酒井重工のロードローラーからもそのアノニマスな美しさを感じます。機能を最優先したそのデザインは無骨でありながら愛らしく、狙わずして(?)美しく、最近の車のデザインには見られない普遍的な魅力を感じます。

このようなデザインに遭遇した時に得られる感動だったり幸福感を感じた時がデザインを好きで良かったなと思う瞬間です。ロードローラーを見て幸福だと感じられる幸福。

20101016_676725

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世界の椅子のデザインを収集しているchairdesigning.comにSilhouette ChairとGrandmother’s chairが掲載されています。

http://www.chairdesigning.com/search/h220430

silhouette2

Silhouette Chair

「何にも支えられることなく人が座っている」という非日常が日常の中に介入した時、それを取り巻く空間の質は大きく変わります。そのような非日常を日常にできるだけ違和感無く溶け込ませたいと考えました。

Silhouette Chairは何も無いところに座るという非日常を、影の形をした構造が支えることで成立させています。

それをホールやロビーなどに用いて、非日常と日常の融合を図りたいと考えています。そこに座った人やそれを見た人に、これまでの椅子の尺度では測りきれない価値を感じてもらえれば幸いです。

material : スチール size : W 520  D 900  H 1350  SH 400

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2010年12月28日

027:Panhard 

http://www.panhard.fr/anglais/index.htm

アノニマスなデザイン、無欲なデザインに魅力を感じます。

できればなくなってほしいと思う軍用車ですが、時にそれはアノニマスなデザインとして目を惹きます。

アメリカの軍用車HUMMERを街で頻繁に目にします。
まさに軍用車という風貌だったHUMMER H1が民間で人気を獲得し、その後民間向けにデザインしなおされた新型のHUMMER H3が本来の魅力を失い、逆に平和の象徴のように見えたりもします。

軍用車には装飾の必要が無く、ユーザーの意識調査も、ユーザーへの媚も必要とせず、無骨ながらも実直でアノニマスなデザインが魅力なのだと思いますがHUMMERが民間向けにデザインしなおされたことでそのHUMMERらしさを失った今、その手の車を好む人たちは次のHUMMERを探しているはずです。

そんな人にはパナール。
世界最古の自動車メーカーと言われているフランスの軍用車専用メーカーです。道なき道も走ります。地雷があっても、ピストルで撃たれても、多分大丈夫。このデザインはまさに実直。HUMMERも率先して道を空けてくれることでしょう。

pana

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